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現代の機会探索

コンパクトシティ構想とPEファンド

公開日:2026/8/9

国土交通政策に、コンパクトシティ構想が存在する。道路や水道、鉄道や医療機関といった生活に必要な機能を過疎地までずっと維持していくことが人口減少社会で現実的ではないため、徐々に地方中核都市に機能を集約し、効率的な運用ができるようにする構想である。地方自治体ごとに都市機能をどう配置するか検討した都市計画は策定され、その実行が注目される段階である。

日本のいくつかの都市を歩いているなかで、この構想が進んでいそうに感じる瞬間がある。地方のそれなりに栄えているターミナル駅を降りると、そこから徒歩15分圏内にきれいなマンションが多くみられることだ。建設中の物件もある。本当に影響は出ているのだろうか?

統計を見てみると、やや集約の傾向はみられそうだ。まだ微々たるものなのでより多角的な調査が出来るとより確かだが、簡易なweb調査からだと都市にもよるが変化は起きていそうに見える。(データのそろい具合で比較年はやや変わる)

  • 静岡駅:駅近郊の人口比率が増えつつありそう(統計データ
    • 2014年の利用者は、静岡市人口71万人に対して1日5.8万人(8.2%)
    • 2019年の利用者は、静岡市人口69万人に対して1日5.9万人(8.6%)
    • 2024年の利用者は、静岡市人口67万人に対して1日5.6万人(8.3%)

  • 新潟駅:変化はあまり無さそう(人口統計データ駅利用統計データ
    • 2014年の利用者は、新潟市人口80万人に対して1日3.7万人(4.6%)
    • 2019年の利用者は、新潟市人口79万人に対して1日3.6万人(4.6%)
    • 2024年の利用者は、新潟市人口76万人に対して1日3.5万人(4.6%)

  • 長野駅:駅近郊の人口比率が増えつつありそう(人口統計データ駅利用統計データ
    • 2015年の利用者は、長野市人口38万人に対して1日2.1万人(5.5%)
    • 2024年の利用者は、長野市人口36万人に対して1日2.1万人(5.8%)

このような動きは、地方中核都市で主に事業を営む消費者向けビジネスの成功に関わる。PEファンドが投資するにあたって、この動きは見逃せないものだ。

企業向けの製造業であれば地方の人口集約度合いはあまり関係ない(トヨタ向けビジネスであれば、トヨタの自動車製造台数や車種が重要である等)のだが、顧客を消費者とするビジネスであれば商圏が非常に重要になるからだ。小売業やサービス業の商圏については多くの研究が先行するが、要するに多く住民が住んでいたり多く人が行き交う方が、同じように店を構えて営業していても、より大きく売上が上がるのである。

ただ、前述のデータを見てもらえればわかるとおり、集約は進んでいそうだが絶対値としては駅利用者数が増えておらず、「人口減少のインパクトを緩和できる」という効果にとどまる。
「在宅勤務が増えており、駅利用者数以上にコロナ後の人口集約は進んでいる」という仮説もあり得るが、リモート勤務が進んでいるのは首都圏などの大企業が大半なのではないかという感覚もあり、やはり人口減少のスピードを上回るほどは集約できておらず、駅近辺という中核エリアであっても人口は減っているのではないかと考えられる。

コンパクトシティ構想の実行については、地方企業に投資して業績改善に取り組もうと考えるPEファンドは関わりの深い存在である。現在まで少し進んでいることは、PEファンドの業績底上げにも役立っているはずだ。今後はさらに業界としてより一層の推進を求めても良いのではないかとも思う。

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