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現代の機会探索

事業会社等による買収とPEファンド支援

公開日:2026/8/20

PEファンドの支援を検討する企業は、中小企業に限らず、「組織としての安定化」や「事業内容・展開地域の観点での非連続な成長」を求める企業だと思う。しかしこのような目的を達成しようと考え、自社での改革は難しいと考えている企業の提携候補は、PEファンド以外にももちろん存在する。

  • ① M&Aに積極的なスター経営者がリードする発展途上の会社
  • ② M&Aに積極的な既に成長出来ている巨大な事業会社
  • ③ 超長期保有の巨大投資会社

といったタイプの候補である。①、②はいずれも様々な業界で数多く事例のある話だ。③は少し珍しい。
①なら強力な指導者に率いられたモーター製造会社、ソフトウェアテスト会社、エレベーター保守会社、アミューズメント施設運営会社、住宅開発・販売会社、ジム運営会社、食品メーカー …多少なりとも経済ニュースを目にしていれば、直近だけでも何社か思い浮かぶものがあるだろう。
②は好業績の業界トップクラスの企業グループはいくつか当てはまるのではないかと思う。こうした企業は戦略的に注力することを決めている分野・地域での買収をコンスタントに行い、コア事業から外れた事業は売却するというパターンが多い(コンサルが入ることも多い)。気になる企業のここ数年のM&A案件を調べれば、②のタイプの企業なのか、およびその大体の方向が分かるだろう(IRページの公表資料で戦略を宣言していることもある)。
③はウォーレン・バフェットで有名なバークシャー・ハサウェイが代表例だ。投資収益が企業全体の収益に占める割合が大きく、傘下の事業には、経営悪化や内部争いが起これば介入することがあるが、基本的に何もしない。

そして①~③の類型は、合流をする側の企業の視点に立ったとき、それぞれに大略次のような特徴がある。

  • 類型①:
    • 買い手企業の強力なリーダーシップを追い風に、業績を非連続に拡大していける
    • 買い手企業の強力なリーダーシップに応じた企業文化に染まり、独立性は薄れる/なくなる
    • 強力なリーダーが去ると、組織としての安定が課題になる
  • 類型②:
    • 買い手企業はルールが整備され強力に組織化されており、組織としての安定が得られる
    • 買い手企業の企業文化やルールに統合され、独立性は薄れる/なくなる
    • 買い手企業の注力先コア事業から外れると、次第に投資されなくなり、再度売却の話が出てくる/停滞する
  • 類型③:
    • 良くも悪くも干渉がないため、「組織としての安定化」や「事業内容・展開地域の観点での非連続な成長」の機会は限られる
    • 一方、独立性が強く保たれる
    • (バークシャー・ハサウェイの場合、バフェット自身の考えが「バフェットからの手紙」にまとめられている。PEファンドに対してはかなり手厳しいコメントをしているが、経営支援に熱心でないPEファンド投資の場合に起こりうる事態はよく整理されている。)

同じ視点でこれらと比較した場合のPEファンド投資(バフェットからの手紙にあるタイプではなく、経営支援に熱心な場合)の特徴は、

  • PEファンドの強力な経営支援(経営指標の可視化、ルール策定、意思決定プロセスの再編など)による組織としての安定化を見込める
  • PEファンドの強力な経営支援(幹部人材の登用、新たな販路開拓、同業買収など)による非連続な成長を見込める
  • PEファンドは3~7年程度で株式を売却するが、株式市場への上場や経営陣による買収でなく他の企業に売却される場合、その企業の類型によって上記①~③のどれかの影響を受けることになる。他のPEファンドに売却された場合、そのファンドの経営支援の熱意によっては設備投資を渋られる等悪影響が出るかもしれない。 …しかも選択の権限はPEファンドにある。

といった点になるだろう。経営支援の内容については、PEファンド担当者へのインタビュー記事や出版されている書籍で大まかな内容を読めるが、実際に経営者としてPEファンド投資先企業において采配を振るっている人物の著作だと更に細かく施策の事例を読める。(小森哲郎さんの「企業変革の実務」などが該当する)

売却はいずれも大きな決断になる。望む成果に応じて時間をかけて検討されることになると思う。時価総額が数十億円~の企業であれば過半数株式の売却でなくとも、マイノリティ株式の売却で支援してくれるPEファンド投資の事例も存在する。このような事例も経営支援の成果が出ているものがあり、選択肢になると思う。

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